「メールマガジンを始めたほうがいいですか」という相談に、当社は業種を聞いてから答えます。メールマガジンは、どの業種でも効くわけではありません。
お客様が日常的にメールを読む業種では、相談や問い合わせを生む強い手段になります。一方で、お客様がメールをほとんど開かない業種では、時間をかけて書いても読まれません。
分かれ目は、送る側の努力ではなく、受け取る側にメール文化が残っているかどうかです。
この記事では、メールマガジンの導入を推奨する業種と、推奨しない業種を分けます。その理由と、代わりに何を使うべきかを説明します。
分かれ目は「メールで仕事をしているか」と「決めるまでの時間」
メールマガジンが効くかどうかは、二つの条件で決まります。
一つ目は、お客様が仕事でメールを毎日開いているか。仕事の連絡がメール中心の人は、メールマガジンも読みます。連絡のほとんどをLINEやSNSで済ませている人は、メールを開く習慣そのものがありません。
二つ目は、検討期間の長さです。すぐに決めるサービスでは、メールで時間をかけて伝える意味が薄くなります。決めるまでに数週間から数か月かかるサービスでは、その間に届くメールが判断の材料になります。
この二つがそろう業種では、メールは「まだ相談する気になっていない人」を、時間をかけて相談する気にさせる手段になります。いま探している人だけを奪い合う集客と違い、母数がまったく違う場所から相談が生まれます。
メールマガジンを推奨する業種
士業(税理士・社労士・行政書士・司法書士など)は、お客様が経営者や担当者で、日常の連絡がメール中心です。相談するかどうかを決めるまでに時間がかかり、制度の変更や期限など、定期的に届く情報に価値があります。相談の獲得にいちばん向いている業種です。
法人向けサービスも同様で、担当者は業務時間中にメールを見ています。稟議や比較検討の期間に事例や導入の流れが届くと、社内で話を進める材料になります。
住宅、リフォーム、保険、教育のような高額な商品は、家族と相談して決めるため検討期間が長くなります。資料請求から契約まで何度も連絡が発生します。
スクールや講座、コンサルティングのように、考え方への共感が決め手になる業種でも同様です。メールで考え方を伝え続けることが申し込みの理由になります。
メールマガジンを推奨しない業種
美容室、整体、飲食、ジムなどの店舗型サービスは、お客様が個人で、連絡はLINEが中心です。予約や再来店の案内は、メールよりLINEのほうが開かれ、その場で予約に進めます。
メールマガジンに時間をかけるより、LINE公式アカウントを整えるほうが結果につながります。
単価が低く、その場で決める商品も、メールで関係を育てる時間がそもそもありません。お客様の年齢層が若い業種では、メールアドレスの登録自体が障害になります。
ただし、メールを使わない業種でも、「一度接点を持った人に、こちらから届ける手段」は必要です。それがLINEになるだけで、役割は同じです。メールアドレスを取りづらい業種では、紙のチラシや小冊子を段階的に送る形で、同じ役割を果たしている店もあります。
迷ったときの確かめ方
自社がどちらか分からないときは、いまのお客様との連絡手段を数えてください。
問い合わせがメールで来る割合が高く、返信のやり取りがメールで続いているなら、メールマガジンは読まれます。問い合わせが電話やLINEばかりで、メールアドレスを聞く場面がほとんどないなら、LINEが向いています。
法人と個人の両方をお客様に持つ士業や、保護者と生徒の両方に連絡するスクールもあります。このように両方の性質を持つ業種では、相手ごとに手段を分けます。一つにまとめようとすると、どちらかの相手に届かなくなります。
手段より先に、目的を決める
メールマガジンもLINEも、目的は同じで、一度接点を持った人に、相談や予約や来店に進んでもらうことです。手段を先に決めると、業種に合わない道具に時間を使うことになります。
自社のお客様がどこで連絡を受け取り、どれくらいの時間をかけて決めるのか。それを先に確かめてから、メールかLINEかを選んでください。
