「メールマガジンを始めたほうがいいですか」という相談に、当社は業種を聞いてから答えます。メールマガジンは、どの業種でも効くわけではありません。

お客様が日常的にメールを読む業種では、相談や問い合わせを生む強い手段になります。一方で、お客様がメールをほとんど開かない業種では、時間をかけて書いても読まれません。

分かれ目は、送る側の努力ではなく、受け取る側にメール文化が残っているかどうかです。

この記事では、メールマガジンの導入を推奨する業種と、推奨しない業種を分けます。その理由と、代わりに何を使うべきかを説明します。

FIG 01 / 業種の分かれ目メールが向く業種、LINEが向く業種法人向けの消耗品など検索と直接の連絡で完結する士業・法人向け・高額商品・スクールメールマガジンが相談を生む美容室・整体・飲食・ジムLINEで予約に直結する住宅・教育で個人が相手相手ごとにメールとLINEを分ける決めるまでが短い決めるまでが長い連絡がメール中心連絡がLINE中心PROGRESS
図1送る側の努力ではなく、受け取る側の習慣で決まる。

分かれ目は「メールで仕事をしているか」と「決めるまでの時間」

メールマガジンが効くかどうかは、二つの条件で決まります。

FIG 02 / 二つの条件メールが効くかを決める二つの条件01メールで仕事をしているか連絡がメール中心なら読まれる。LINE・SNS中心なら開く習慣がない02決めるまでの時間は長いか数週間〜数か月かかるなら、届くメールが判断の材料になる03二つそろえば効くまだ相談する気になっていない人を、時間をかけて相談する気にさせるいま探している人の奪い合いと違い、母数の違う場所から相談が生まれるPROGRESS
図2二つの条件がそろう業種では、メールが相談を生む。

一つ目は、お客様が仕事でメールを毎日開いているか。仕事の連絡がメール中心の人は、メールマガジンも読みます。連絡のほとんどをLINEやSNSで済ませている人は、メールを開く習慣そのものがありません。

二つ目は、検討期間の長さです。すぐに決めるサービスでは、メールで時間をかけて伝える意味が薄くなります。決めるまでに数週間から数か月かかるサービスでは、その間に届くメールが判断の材料になります。

この二つがそろう業種では、メールは「まだ相談する気になっていない人」を、時間をかけて相談する気にさせる手段になります。いま探している人だけを奪い合う集客と違い、母数がまったく違う場所から相談が生まれます。

メールマガジンを推奨する業種

士業(税理士・社労士・行政書士・司法書士など)は、お客様が経営者や担当者で、日常の連絡がメール中心です。相談するかどうかを決めるまでに時間がかかり、制度の変更や期限など、定期的に届く情報に価値があります。相談の獲得にいちばん向いている業種です。

法人向けサービスも同様で、担当者は業務時間中にメールを見ています。稟議や比較検討の期間に事例や導入の流れが届くと、社内で話を進める材料になります。

住宅、リフォーム、保険、教育のような高額な商品は、家族と相談して決めるため検討期間が長くなります。資料請求から契約まで何度も連絡が発生します。

スクールや講座、コンサルティングのように、考え方への共感が決め手になる業種でも同様です。メールで考え方を伝え続けることが申し込みの理由になります。

FIG 03 / 推奨する業種メールマガジンを推奨する業種と理由業種お客様検討期間メールが効く理由士業経営者・担当者・相続を控えた個人数週間〜数か月制度の変更と期限が、読む理由になる法人向けサービス業務中にメールを見る担当者稟議・比較の期間事例と導入の流れが社内を動かす材料に住宅・保険・教育家族と相談して決める個人長い資料請求から契約まで、連絡が何度も発生スクール・コンサル考え方への共感で選ぶ人長い考え方を伝え続けることが申し込みの理由にPROGRESS
図3共通するのは、メールで仕事をしていて、決めるまでに時間がかかること。

メールマガジンを推奨しない業種

美容室、整体、飲食、ジムなどの店舗型サービスは、お客様が個人で、連絡はLINEが中心です。予約や再来店の案内は、メールよりLINEのほうが開かれ、その場で予約に進めます。

メールマガジンに時間をかけるより、LINE公式アカウントを整えるほうが結果につながります。

単価が低く、その場で決める商品も、メールで関係を育てる時間がそもそもありません。お客様の年齢層が若い業種では、メールアドレスの登録自体が障害になります。

ただし、メールを使わない業種でも、「一度接点を持った人に、こちらから届ける手段」は必要です。それがLINEになるだけで、役割は同じです。メールアドレスを取りづらい業種では、紙のチラシや小冊子を段階的に送る形で、同じ役割を果たしている店もあります。

FIG 04 / 推奨しない業種メールを推奨しない業種は、LINEで同じ役割をメールを推奨しない△店舗型サービス(美容・整体・飲食・ジム)△単価が低く、その場で決める商品△お客様の年齢層が若い△メールアドレスを聞く場面がほとんどない代わりにLINE(役割は同じ)◎予約・再来店の案内がその場で予約に進む◎「一度接点を持った人に届ける」役割は同じ◎紙のチラシ・小冊子で代用する店もある◎接点を一期一会で終わらせないVSPROGRESS
図4手段が変わるだけで、目的は変わらない。

迷ったときの確かめ方

自社がどちらか分からないときは、いまのお客様との連絡手段を数えてください。

問い合わせがメールで来る割合が高く、返信のやり取りがメールで続いているなら、メールマガジンは読まれます。問い合わせが電話やLINEばかりで、メールアドレスを聞く場面がほとんどないなら、LINEが向いています。

法人と個人の両方をお客様に持つ士業や、保護者と生徒の両方に連絡するスクールもあります。このように両方の性質を持つ業種では、相手ごとに手段を分けます。一つにまとめようとすると、どちらかの相手に届かなくなります。

手段より先に、目的を決める

メールマガジンもLINEも、目的は同じで、一度接点を持った人に、相談や予約や来店に進んでもらうことです。手段を先に決めると、業種に合わない道具に時間を使うことになります。

自社のお客様がどこで連絡を受け取り、どれくらいの時間をかけて決めるのか。それを先に確かめてから、メールかLINEかを選んでください。

FIG 05 / 決める順番手段より先に、目的と相手を決める01目的を決める接点を持った人に、相談・予約・来店へ進んでもらう02相手を確かめる問い合わせはメールか、電話・LINEか03手段を選ぶメール/LINE/相手ごとに分ける04登録後の流れを作る最初の7日間で考え方と相談の流れ手段を先に決めると、業種に合わない道具に時間を使うPROGRESS
図5自社のお客様がどこで連絡を受け取るかを、数えてから決める。