広告を出している間は問い合わせが来るのに、予算を絞った月は途端に止まる。この経験がある経営者の方は多いはずです。
広告費は、蛇口をひねれば水が出て、閉めれば止まる変動費です。それ自体は悪いことではありません。問題は、集客のすべてを広告に預けていると、その変動費が実質的には毎月の固定費になってしまうことです。止めた瞬間に、売上まで止まります。
この状態から抜け出す考え方が、当社が「資産型集客」と呼んでいるものです。
資産型集客とは何か
資産型集客とは、一度作ったものが残り続けて、翌月以降も集客を運んでくれる仕組みのことです。ここでいう資産は会計上の資産ではなく、「使い続けられる集客コンテンツ」という意味です。
具体的には、次のようなものが資産にあたります。
- お客様が検索する言葉に答える記事やページ
- 悩み別やサービス別に整理されたサイトの構造
- 地図検索に表示されるビジネスプロフィールと、そこに積み上がる口コミ
- 一度登録した人に自動で届くメールやLINEの配信
これらは作った月だけでなく、その後もずっと働き続けます。
集客には、フロー型とストック型があります。広告やSNSの投稿はフロー型で、出した分だけ流れて消えます。検索に答える記事や口コミはストック型で、積み上がって減りません。
資産型集客とは、集客の重心をフロー型からストック型に移すことです。
切り替える3つのメリット
いちばん大きなメリットは、広告費を減らした月でも問い合わせが途切れないことです。検索から届く訪問には出稿費がかかりません。制作費や運用費を除けば、問い合わせ一件あたりの費用は月を追うごとに下がっていきます。
二つ目は、訪問する人の温度です。検索から来る人は、いま困っていて、いま解決策を探している人です。興味のない人にも表示される広告とは、訪問した時点の本気度が違います。
三つ目は、信頼が先に生まれることです。悩みに丁寧に答えた記事を読み終えた人は、問い合わせの前に「この会社は分かっている」と感じています。
お客様は数千人も要りません。千人、二千人のお客様が継続してくれれば、中小企業の経営は十分に成り立ちます。
知っておくべき弱点
資産型集客にも弱点があります。一つ目は時間です。検索エンジンに評価されるまで、目安として2〜3か月は記事を公開しながら待つ必要があります。地域や競合によっては、さらにかかります。
二つ目は、順位や集客数を約束できないことです。検索エンジンの評価は外部の仕組みなので、公開して終わりにせず、反応を見ながら直し続ける運用が欠かせません。
三つ目は、開業直後の集客には向かないことです。今月の売上が必要なら、資産型だけでは間に合いません。
広告を止めるのではなく、蛇口を絞りながら積む
おすすめは、広告をいきなり止めることではありません。広告で今月の集客を確保しながら、並行してストック型の資産を積み上げます。検索からの問い合わせが増えた分だけ、蛇口を絞っていく進め方です。
進める順番は、次の4つです。
- サイトの出口を一つに絞り、予約や問い合わせに迷わず進める状態にする
- 地域とサービスに関わる検索需要を調べ、狙う言葉を決める
- その言葉に答える記事とページを、月に数本ずつ公開する
- 検索からの問い合わせが増えてきたら、その分だけ広告費を減らす
ここで大切なのは、広告と資産型集客を敵同士にしないことです。広告で反応があった言葉や写真は、記事の見出しやページの文章にそのまま使えます。広告は資産を早く育てるための調査でもあります。
切り替わった合図
3か月後、半年後に振り返ったとき、広告費が減っているのに問い合わせが減っていない。その状態が、資産型集客に切り替わった合図です。
媒体の仕様が変わっても、広告の単価が上がっても、自分のサイトに積み上げた記事は手元に残ります。そこから届く問い合わせも同じです。
集客の不安を小さくする方法は、集客を頑張り続けることではなく、頑張らなくても届く仕組みを先に作ることです。
