広告を出している間は問い合わせが来るのに、予算を絞った月は途端に止まる。この経験がある経営者の方は多いはずです。

広告費は、蛇口をひねれば水が出て、閉めれば止まる変動費です。それ自体は悪いことではありません。問題は、集客のすべてを広告に預けていると、その変動費が実質的には毎月の固定費になってしまうことです。止めた瞬間に、売上まで止まります。

この状態から抜け出す考え方が、当社が「資産型集客」と呼んでいるものです。

FIG 01 / 広告と資産広告中心の集客と、資産型集客の違い広告中心:毎月同じ高さ、止めればゼロ1か月2か月3か月停止蛇口を閉めた月に、集客も止まる資産型:記事が積み上がる1か月2か月3か月4か月公開したものが残り、月ごとに増える仕組みの模式図。実際の集客数を示すものではありませんPROGRESS
図1広告は出した分だけ流れ、資産は積み上がって減らない。

資産型集客とは何か

資産型集客とは、一度作ったものが残り続けて、翌月以降も集客を運んでくれる仕組みのことです。ここでいう資産は会計上の資産ではなく、「使い続けられる集客コンテンツ」という意味です。

具体的には、次のようなものが資産にあたります。

  • お客様が検索する言葉に答える記事やページ
  • 悩み別やサービス別に整理されたサイトの構造
  • 地図検索に表示されるビジネスプロフィールと、そこに積み上がる口コミ
  • 一度登録した人に自動で届くメールやLINEの配信

これらは作った月だけでなく、その後もずっと働き続けます。

集客には、フロー型とストック型があります。広告やSNSの投稿はフロー型で、出した分だけ流れて消えます。検索に答える記事や口コミはストック型で、積み上がって減りません。

資産型集客とは、集客の重心をフロー型からストック型に移すことです。

FIG 02 / フローとストック集客をフロー型とストック型に分ける広告出稿した当日から効く。止めた瞬間にゼロ。反応を早く確かめる調査には最適記事・ページ・配信の仕組み制作費はかかるが、公開後は出稿費ゼロで運び続けるSNSの投稿無料だが、数日で流れる。続けている間だけ効く口コミ・ビジネスプロフィール評価は消えずに積み上がる。お願いする仕組みが要る出した分だけ流れる(フロー型)積み上がって残る(ストック型)費用がかかる費用がほぼゼロPROGRESS
図2資産型集客とは、集客の重心を右の列へ移すこと。

切り替える3つのメリット

いちばん大きなメリットは、広告費を減らした月でも問い合わせが途切れないことです。検索から届く訪問には出稿費がかかりません。制作費や運用費を除けば、問い合わせ一件あたりの費用は月を追うごとに下がっていきます。

FIG 03 / 3つのメリット資産型集客に切り替える3つのメリット01費用が月ごとに下がる検索からの訪問に出稿費はない。絞った月も途切れない02訪問する人の温度が高いいま困って、いま解決策を探している人が来る03信頼が先に生まれる読み終えた時点で「この会社は分かっている」と感じている千人、二千人のお客様が継続すれば、経営は十分に成り立つPROGRESS
図3出稿費がかからず、温度の高い人が信頼を持って来る。

二つ目は、訪問する人の温度です。検索から来る人は、いま困っていて、いま解決策を探している人です。興味のない人にも表示される広告とは、訪問した時点の本気度が違います。

三つ目は、信頼が先に生まれることです。悩みに丁寧に答えた記事を読み終えた人は、問い合わせの前に「この会社は分かっている」と感じています。

お客様は数千人も要りません。千人、二千人のお客様が継続してくれれば、中小企業の経営は十分に成り立ちます。

知っておくべき弱点

資産型集客にも弱点があります。一つ目は時間です。検索エンジンに評価されるまで、目安として2〜3か月は記事を公開しながら待つ必要があります。地域や競合によっては、さらにかかります。

二つ目は、順位や集客数を約束できないことです。検索エンジンの評価は外部の仕組みなので、公開して終わりにせず、反応を見ながら直し続ける運用が欠かせません。

三つ目は、開業直後の集客には向かないことです。今月の売上が必要なら、資産型だけでは間に合いません。

FIG 04 / 向き不向き資産型集客のメリットと弱点弱点△効果が出るまで2〜3か月かかる△順位や集客数は約束できない△公開して終わりでは育たない△開業直後の今月の売上には向かないメリット◎広告費を減らしても問い合わせが続く◎一件あたりの費用が月ごとに下がる◎いま困っている人が、探して来る◎読み終えた時点で信頼が生まれているVSPROGRESS
図4弱点を知ったうえで、広告と併用しながら切り替える。

広告を止めるのではなく、蛇口を絞りながら積む

おすすめは、広告をいきなり止めることではありません。広告で今月の集客を確保しながら、並行してストック型の資産を積み上げます。検索からの問い合わせが増えた分だけ、蛇口を絞っていく進め方です。

進める順番は、次の4つです。

  1. サイトの出口を一つに絞り、予約や問い合わせに迷わず進める状態にする
  2. 地域とサービスに関わる検索需要を調べ、狙う言葉を決める
  3. その言葉に答える記事とページを、月に数本ずつ公開する
  4. 検索からの問い合わせが増えてきたら、その分だけ広告費を減らす

ここで大切なのは、広告と資産型集客を敵同士にしないことです。広告で反応があった言葉や写真は、記事の見出しやページの文章にそのまま使えます。広告は資産を早く育てるための調査でもあります。

FIG 05 / 切り替えの手順蛇口を絞りながら、資産を積む4手順01出口を一つに予約・問い合わせに迷わず進める状態にする02検索需要を調べる地域とサービスに関わる言葉を決める03記事とページを積む月に数本。広告で反応のあった言葉を使う04広告費を減らす検索からの問い合わせが増えた分だけ広告費が減っているのに、問い合わせが減っていない=切り替わった合図PROGRESS
図5広告を敵にしない。反応のあった言葉は資産に戻して使う。

切り替わった合図

3か月後、半年後に振り返ったとき、広告費が減っているのに問い合わせが減っていない。その状態が、資産型集客に切り替わった合図です。

媒体の仕様が変わっても、広告の単価が上がっても、自分のサイトに積み上げた記事は手元に残ります。そこから届く問い合わせも同じです。

集客の不安を小さくする方法は、集客を頑張り続けることではなく、頑張らなくても届く仕組みを先に作ることです。