広告は広告代理店に、サイトは制作会社に、メールやLINEの配信はツールの担当者に、問い合わせへの対応は社内で。集客に関わる仕事を別々の相手に頼んでいる会社は珍しくありません。
一つひとつはきちんと作られているのに、全体で見ると問い合わせが増えない。その原因は、多くの場合、施策そのものではなく施策と施策の「つなぎ目」にあります。
集客は、作る前の設計で結果の大半が決まります。
お客様は「つなぎ目」で漏れていく
お客様が売上になるまでには、いくつもの段階があります。広告や検索でサイトを知り、サイトを読んで問い合わせや予約をし、相談や体験を経て契約し、その後も利用を続ける。
この流れの途中には、段階と段階の切り替わりが必ずあります。問題が起きるのは、その切り替わりの場所です。
広告では「初回無料」と打ち出しているのに、着いたページにその言葉がない。問い合わせが来たのに返信まで2日かかり、その間に他社で決まる。資料を請求した人に、その後なにも届かない。
どれも、個別の施策としては失敗していません。広告はクリックされ、サイトは問い合わせを生み、資料は届いています。それでも、どこかに穴があれば、お客様はそこから漏れていきます。仕組みは、穴の数だけ売上を失うのです。
仕組みは「後ろから」作る
当社が集客の設計で最初に決めるのは、集客の方法ではなく、いちばん後ろの出口です。予約なのか、相談なのか、資料請求なのか。出口を一つに決めてから、その手前に何が必要かを逆算していきます。
出口の直前にいる人は、料金と場所と空き状況を知りたがっています。相談に進む直前の人は、誰が対応してくれるのかを知りたがっています。
その情報を出口のすぐ手前に置きます。次に、そこへ人を運ぶページを作り、最後に、そのページへ人を連れてくる広告や検索を考えます。
この順番が逆になると、受け皿のないまま集客だけを頑張ることになります。水をどれだけ注いでも、ざるからは漏れます。集客は、仕組みが完成してから最後に手をつける工程です。
つなぎ目でそろえる3つのもの
一本の流れにするために、つなぎ目でそろえるものは3つです。
一つ目は言葉です。次の3つがそろっていると、お客様は「同じ話の続きだ」と感じて読み進めます。
- 広告で使った言葉
- 着いたページの見出し
- その後に届くメールの件名
言葉がばらばらだと、そのたびに考え直す手間が生まれ、そこで離れます。
二つ目は約束です。広告で「初回無料」と言ったなら、ページでも、問い合わせ後の案内でも、同じ条件が同じ表現で出てくること。
三つ目は担当です。問い合わせが来たら誰が何時間以内に返すのか、相談が終わったら誰がフォローするのか。仕組みとして決めておかないと、忙しい週に限って抜け落ちます。
数字のゲームにすると、穴の場所が見える
設計をやり直す前に、いまの流れでどこに穴があるかを確かめます。用意するのは4つの数字です。
- 訪問数
- 問い合わせや予約の数
- 相談や体験の実施数
- 成約数
この4つを月ごとに並べると、隣り合う数字の間の落ち込みが見えてきます。
訪問から問い合わせへの落ち込みが大きければ、サイトの導線や内容に穴があります。問い合わせから相談が落ちていれば、返信や案内に穴があります。相談から成約が落ちていれば、相談の場での伝え方や料金の見せ方を見直します。
直す順番は、上流からです。上流の穴をふさぐと、その下のすべての数字が同時に増えます。
たとえば、訪問した人のうち問い合わせに進む割合が10%から30%に上がったとします。その後の相談も成約も、費用を増やさずに3倍になります。
感覚で「広告が悪い」「サイトが古い」と決めてしまうと、直した場所が外れることがよくあります。
設計してから作る、が結局いちばん早い
設計を飛ばして施策を積み上げると、あとから全部を作り直すことになります。逆に、出口から逆算して流れを一度描いておくと、広告もサイトも配信も、その流れに沿って作れば済みます。
当社が集客からCS(顧客対応)までを分けずに設計するのは、この「つなぎ目」の穴を最初からふさいでおくためです。個別の施策を強くするより、流れを一本にするほうが、同じ費用で残る成約は確実に増えます。
