「サイトの訪問数を増やしたい」という相談を受けたとき、当社が最初に確認するのは訪問数ではありません。訪問した人のうち、予約や問い合わせに進んだ人が何人いるかです。

訪問数は増えると気持ちのよい数字ですが、それだけでは売上になりません。フォロワーが10万人いても収入がない人、登録者が50万人いても資金に困っているチャンネルは、珍しくないのです。

訪問数を上げる方法を説明する前に、この順番だけは先に押さえておいてください。

FIG 01 / 見る順番訪問数の前に、問い合わせに進む割合を見る訪問数ACCESS増えると嬉しいが、それだけでは売上にならない出口に進んだ人CLICK予約・問い合わせのボタンを押した人問い合わせ・予約CONVERSIONここを2倍にするほうが、訪問2倍より安い成約CLOSE売上になるのはここだけPROGRESS
図1訪問数を追う前に、下の段が整っているかを確かめる。

訪問を運ぶ経路は6つしかない

サイトに人を連れてくる経路は、整理すると6つに収まります。検索エンジン、SNS、動画サイト、他者の媒体、口コミ、広告です。新しい手法が毎年のように登場しますが、どれもこの6つのどれかに分類できます。

訪問数が伸び悩んだときに考えるのは、「いま流行っている手法は何か」ではありません。「6つのうち、まだ手をつけていない経路はどれか」と考えるほうが、次の一手が早く決まります。

6つの経路は、費用のかかり方と、効果が出るまでの時間と、止めたときに何が残るかがまったく違います。同じ物差しで並べたのが図2です。

FIG 02 / 6つの経路訪問を運ぶ6つの経路を、同じ物差しで比べる経路費用効果が出るまで止めたときに残るもの検索エンジン記事・ページの制作費2〜3か月記事は残り、運び続けるSNS投稿を続ける人手続けている間投稿は数日で流れる動画サイト制作の手間と時間数か月検索される動画は残る他者の媒体紹介・掲載の交渉掲載されれば早い掲載は残るが更新できない口コミほぼゼロ(お願いする仕組み)読めない評価と信頼は残る広告クリック・表示ごとに発生当日から止めた瞬間にゼロPROGRESS
図2新しい手法も、この6つのどれかに入る。空いている経路から次の一手を選ぶ。

先に決めるのは経路ではなく「お客様がどこにいるか」

経路を選ぶときに、多くの人は「どの媒体が今熱いか」から入ります。順番が逆です。先に決めるのは、自分のお客様がふだんどこで情報を探しているかです。

FIG 03 / 居場所お客様の居場所で、先にやる経路が決まるお客様はどこにいるか媒体の流行ではなく、ふだん情報を探している場所から決める腰の痛みに困っている人検索窓に言葉を打ち込む → 検索パーソナルジムは、検索広告とページの改善で土台ができた新しいカフェを探す人写真の並ぶSNSを眺める → SNSタピオカ専門店は、Instagramの広告で土台ができた地元の店を探す人地図を見る → 地図検索銀座のシーシャラウンジは、地図検索で土台ができたPROGRESS
図3媒体の流行より先に、お客様がふだん探している場所を一つ当てる。

腰の痛みに困っている人は検索窓に言葉を打ち込みますし、新しいカフェを探す人は写真の並ぶSNSを眺めます。経営者は仕事中にメールを開き、地元の店を探す人は地図を見ます。

お客様の居場所が分かれば、6つの経路のどれを先にやるべきかは自然に決まります。実店舗の集客は、この「居場所」を一つ当てて、そこだけを徹底的に掘ると意外なほど早く完了します。

当社の代表が出した店でも、それぞれ次の経路だけで集客の土台ができました。

  • タピオカ専門店は、Instagramの広告
  • パーソナルジムは、検索広告とページの改善
  • 銀座のシーシャラウンジは、地図検索

訪問を「一期一会」で終わらせない

訪問数を増やしても成果が出ないサイトには、共通点があります。訪問した人が、そのまま帰れる作りになっていることです。

記事を読んで、なるほどと思って、閉じる。この人とはもう二度と会えません。

せっかく運んだ訪問を一期一会で終わらせないために、すべてのページに、次の一歩へ進む出口を置いてください。

予約でも、LINE登録でも、無料相談でも構いませんが、1ページに置く出口は1つに絞ります。出口が複数あると、人は交通整理されずに迷い、結局どこにも進みません。

FIG 04 / 一期一会訪問を一期一会で終わらせない出口がないページ検索・SNS×記事を読む×出口へ進む×予約・相談読んで、なるほどと思って、閉じる。二度と会えない全ページに出口が1つあるページ検索・SNS記事を読む出口へ進む予約・相談1ページに出口は1つ。交通整理をすると、人は迷わず進むPROGRESS
図4訪問数より先に、訪問した人が次の一歩へ進める作りにする。

おすすめの取り組む順番

限られた予算で始めるなら、順番はこうなります。まず出口を整えます。次に、お客様が検索する言葉を調べ、その言葉に答えるページや記事を積み上げます。

狙うのは「地域名+サービス名+悩み」のような3〜4語の組み合わせで、検索数の大きな言葉は競合が強いので追いません。3〜4語の言葉は検索する人の悩みが深く、そのぶん予約や問い合わせに進む割合が高くなります。

検索の効果を待つ間に、少額の広告で「どんな言葉や写真に反応があるか」を確かめます。広告は訪問を買う手段であると同時に、お客様の反応を短期間で知る調査でもあります。反応のあった言葉は、記事の見出しやサイトの文章に使い回せます。

SNSと口コミは、無理のない頻度で続けます。口コミは待っていても増えないので、来店したお客様に一言お願いする仕組みを作っておきます。

FIG 05 / 順番限られた予算で取り組む順番01出口を整える023〜4語の検索に答える記事地域名+サービス+悩み。悩みが深く、競合が薄い03少額の広告で反応を確かめる反応のあった言葉を記事とサイトに戻す04SNSと口コミを続ける無理のない頻度。口コミはお願いする仕組みを作る予算が増えても、順番は変わらないPROGRESS
図5出口→検索→広告→SNS・口コミ。順番を守ると、増えた訪問が問い合わせに変わる。

訪問数ではなく、問い合わせ数を毎月見る

最後に、数字の見方です。月に一度でよいので、訪問数、問い合わせや予約の数、そのうち成約した数の3つを並べて見てください。どの経路から来た人が問い合わせに進んでいるかが分かると、次に費用を使う場所が自然に決まります。

訪問数を2倍にするより、訪問した人が問い合わせに進む割合を2倍にするほうが、費用はずっと少なくて済みます。訪問数を上げることは、その判断のあとで十分に間に合います。