「サイトの訪問数を増やしたい」という相談を受けたとき、当社が最初に確認するのは訪問数ではありません。訪問した人のうち、予約や問い合わせに進んだ人が何人いるかです。
訪問数は増えると気持ちのよい数字ですが、それだけでは売上になりません。フォロワーが10万人いても収入がない人、登録者が50万人いても資金に困っているチャンネルは、珍しくないのです。
訪問数を上げる方法を説明する前に、この順番だけは先に押さえておいてください。
訪問を運ぶ経路は6つしかない
サイトに人を連れてくる経路は、整理すると6つに収まります。検索エンジン、SNS、動画サイト、他者の媒体、口コミ、広告です。新しい手法が毎年のように登場しますが、どれもこの6つのどれかに分類できます。
訪問数が伸び悩んだときに考えるのは、「いま流行っている手法は何か」ではありません。「6つのうち、まだ手をつけていない経路はどれか」と考えるほうが、次の一手が早く決まります。
6つの経路は、費用のかかり方と、効果が出るまでの時間と、止めたときに何が残るかがまったく違います。同じ物差しで並べたのが図2です。
先に決めるのは経路ではなく「お客様がどこにいるか」
経路を選ぶときに、多くの人は「どの媒体が今熱いか」から入ります。順番が逆です。先に決めるのは、自分のお客様がふだんどこで情報を探しているかです。
腰の痛みに困っている人は検索窓に言葉を打ち込みますし、新しいカフェを探す人は写真の並ぶSNSを眺めます。経営者は仕事中にメールを開き、地元の店を探す人は地図を見ます。
お客様の居場所が分かれば、6つの経路のどれを先にやるべきかは自然に決まります。実店舗の集客は、この「居場所」を一つ当てて、そこだけを徹底的に掘ると意外なほど早く完了します。
当社の代表が出した店でも、それぞれ次の経路だけで集客の土台ができました。
- タピオカ専門店は、Instagramの広告
- パーソナルジムは、検索広告とページの改善
- 銀座のシーシャラウンジは、地図検索
訪問を「一期一会」で終わらせない
訪問数を増やしても成果が出ないサイトには、共通点があります。訪問した人が、そのまま帰れる作りになっていることです。
記事を読んで、なるほどと思って、閉じる。この人とはもう二度と会えません。
せっかく運んだ訪問を一期一会で終わらせないために、すべてのページに、次の一歩へ進む出口を置いてください。
予約でも、LINE登録でも、無料相談でも構いませんが、1ページに置く出口は1つに絞ります。出口が複数あると、人は交通整理されずに迷い、結局どこにも進みません。
おすすめの取り組む順番
限られた予算で始めるなら、順番はこうなります。まず出口を整えます。次に、お客様が検索する言葉を調べ、その言葉に答えるページや記事を積み上げます。
狙うのは「地域名+サービス名+悩み」のような3〜4語の組み合わせで、検索数の大きな言葉は競合が強いので追いません。3〜4語の言葉は検索する人の悩みが深く、そのぶん予約や問い合わせに進む割合が高くなります。
検索の効果を待つ間に、少額の広告で「どんな言葉や写真に反応があるか」を確かめます。広告は訪問を買う手段であると同時に、お客様の反応を短期間で知る調査でもあります。反応のあった言葉は、記事の見出しやサイトの文章に使い回せます。
SNSと口コミは、無理のない頻度で続けます。口コミは待っていても増えないので、来店したお客様に一言お願いする仕組みを作っておきます。
訪問数ではなく、問い合わせ数を毎月見る
最後に、数字の見方です。月に一度でよいので、訪問数、問い合わせや予約の数、そのうち成約した数の3つを並べて見てください。どの経路から来た人が問い合わせに進んでいるかが分かると、次に費用を使う場所が自然に決まります。
訪問数を2倍にするより、訪問した人が問い合わせに進む割合を2倍にするほうが、費用はずっと少なくて済みます。訪問数を上げることは、その判断のあとで十分に間に合います。
