店は、儲かる場所に出せば儲かります。文化祭の模擬店を思い出してください。入口の目の前に出した店は何もしなくても行列ができ、体育館の裏に出した店はどれだけ看板を工夫しても人が来ません。
ウェブでも同じことが起きていて、その「場所」を決めているのが検索需要です。
当社の代表がパーソナルジムを出店したときも、先に地域名で検索して上位が空いていることを確かめてから場所を選びました。そして、開業から4か月で予約待ちの店舗になりました。
集客が保証された状態で出す。そのための調査は、専門のツールがなくても始められます。
検索需要を調べると、3つのことが分かる
検索需要とは、ある言葉が一定期間にどれだけ検索されているかのことです。これを調べると、次の3つが分かります。
- お客様が自分のサービスをどんな言葉で探しているか
- その言葉をどの地域の人がどれくらい検索しているか
- その言葉で検索したときに、いま誰のページが表示されているか
需要の大きさと、地域の偏りと、競合の状況が同時に見える。出店の場所を決めるときも、サイトで作るページを決めるときも、この3つが判断の材料になります。
手順1:お客様の言葉を集める
調査の出発点は、ツールではなくお客様の言葉です。電話や問い合わせでよく聞かれること、来店したお客様が最初に口にする悩み、契約前に確認されることを書き出します。
「腰が痛い」「相続の手続き」「子どもの習い事」のような日常の言葉で構いません。10〜20個集まれば十分です。専門用語より、お客様がそのまま検索窓に打ち込みそうな言葉を優先してください。
手順2:検索窓の候補で言葉を広げ、3〜4語にする
集めた言葉を検索窓に打ち込むと、入力の途中で候補が表示され、検索結果の下には関連する検索が並びます。これらは実際に検索されている組み合わせです。「腰痛 整体 〇〇市」「腰痛 ストレッチ 座り方」のように、言葉は3〜4語の組み合わせへ広がっていきます。
狙うのは、この3〜4語の言葉です。「整体」や「腰痛」のような1〜2語の大きな言葉は、大手のまとめサイトが並びます。中小企業が上位に入る余地はほとんどありません。
一方で、3〜4語の言葉は検索する人の悩みが具体的で深く、競合が薄く、そのぶん予約や問い合わせに進む割合が高くなります。
大きな言葉で一時的に上位を取っても、順位が動いた月に売上が3分の1になる。そういう経験をした人を、当社は何人も見てきました。
手順3:月間の検索数と、地域差を確かめる
言葉が広がったら、それぞれがどれくらい検索されているかを確かめます。Google広告のキーワードプランナーは、広告を出していなくても月間検索数の目安を確認でき、地域を絞って比べられます。
季節の変動や地域ごとの関心の差を見たいときは、Googleトレンドが役立ちます。「〇〇市」と「△△市」で同じ言葉の検索の多さを比べると、どちらの地域に需要があるかが見えてきます。
数字を読むときの注意が一つあります。検索数は多いほど良いわけではありません。月に数十回でも「地域名+サービス名」のような行動に近い言葉のほうが、月に数千回の一般的な言葉より、問い合わせにはつながります。
手順4:実際に検索して、上位の顔ぶれを見る
数字を確認したら、その言葉で実際に検索してください。上位に表示されているのが、大手のまとめサイトなのか、地域の同業者なのか、地図の枠なのかで、取り組み方が変わります。
地図の枠が大きく表示される言葉は、Googleビジネスプロフィールの整備が先です。地域の同業者が並ぶ言葉は、より詳しく、より地域に寄せたページで勝負できます。大手のまとめサイトだけが並ぶ言葉は、いったん後回しにして構いません。
手順5:狙う言葉と、作るページを決める
ここまで調べると、言葉の一覧に検索数、地域、競合の状況が並びます。その中から、行動に近く、地域と結びつき、自分たちが答えられる言葉を選びます。選んだ言葉ごとに、答えるページや記事を一つずつ作っていくのが資産型集客の始まりです。
すでにサイトがある場合は、Search Consoleで「どんな言葉で表示され、クリックされているか」を確認してください。表示されているのにクリックされていない言葉は、タイトルや内容を直すだけで伸びる余地があります。
数時間の調査が、数か月と数百万円を守る
検索需要の調査は、サイトを作るためだけのものではありません。出店の場所、始めるサービス、打ち出す言葉を決める前に、需要が数字で見えていれば、感覚だけで決めるより外れる回数が減ります。
調べるのにかかる時間は、慣れれば数時間です。数百万円の出店費用や、数か月の制作期間に比べれば、先に確かめておく価値は十分にあります。
