InstagramとFacebookに配信できるMeta広告は、少額から始められることが強みです。ただ、「少額から始められる」と「少額で結果が分かる」は別の話です。
最初の予算の決め方を間違えると、数万円を使い切っても何も分からないまま終わります。
当社の代表は、浜松にタピオカ専門店を出したとき、Instagram広告だけで開業初日に行列を作りました。同時に、その後の値引き広告で痛い思いもしています。
この記事では、その経験も踏まえて、Meta広告を始めるときの予算の考え方を、テスト期間と伸ばす期間に分けて説明します。金額はあくまで当社の目安です。
広告費は「蛇口」。閉めれば止まる変動費
広告費の性質を先に押さえておきます。広告費は、蛇口をひねれば水が出て、閉めれば止まる変動費です。人を雇う固定費と違い、効かなければ翌日に止められます。
だから、小さく開けて反応を見て、効いたら少しずつ開けるという使い方ができます。反対に、いきなり大きく開けると、効いていない広告に水を注ぎ続けることになります。
最初の予算は「確かめるため」の予算
広告を始めた最初の1か月は、売上を上げる期間ではなく、何が反応するかを確かめる期間です。確かめたいのは3つです。
- どんな写真や動画に反応があるか
- どんな言葉にクリックが集まるか
- クリックした人が、着地したページで予約や問い合わせに進むか
この3つが分かって初めて、予算を増やす判断ができます。
当社が相談を受けたときのテスト予算の目安は、1か月で3万円から5万円、1日あたり1,000円から1,700円ほどです。この金額にしている理由は、反応の違いを比べるために、複数の写真や言葉を同時に試す必要があるからです。
1日数百円では、それぞれの広告に表示の機会が回らず、「反応がない」のか「まだ表示されていない」のかが区別できません。
着地ページを、先に整えておく
広告の予算を決める前に、クリックした人が着地するページを整えてください。広告で「初回体験〇〇円」と伝えたなら、着地したページの最初の画面に同じ言葉があること。出口が予約なら予約に、LINEならLINEに、一つに絞られていること。
ここが整っていないと、テスト期間の3つ目の指標である「予約や問い合わせに進んだ数」が測れません。広告の結果が悪いとき、原因が広告ではなく着地ページにあることは珍しくありません。
仕組みは後ろから作ります。受け皿ができてから、蛇口を開けます。
安売りで集めた人は、安売りにしか反応しない
ここで、代表の失敗を一つ書きます。650円のタピオカを100円で提供する広告を出したところ、たしかに行列はできました。ところがその後、650円で買う人が減り、売上は半分に落ちました。
100円で集まった人は、100円だから来た人だったのです。広告で反応を取りやすいのは値引きですが、値引きで集めたお客様は値引きでしか戻ってきません。
Meta広告のテストで確かめるべきは「安くすれば来るか」ではなく、「自分たちの提案そのものに反応があるか」です。値下げは、いちばん簡単で、いちばん高くつく手です。
伸ばすかどうかの判断基準
テスト期間が終わったら、二つで判断します。一つ目は、予約や問い合わせ1件を得るのにいくらかかったかです。そこから成約率を掛けて、成約1件あたりの費用を出します。
その費用が、成約1件から得られる利益の範囲に収まっていれば、伸ばす価値があります。この利益は、できれば一人のお客様が繰り返し来てくれる期間全体の利益です。
獲得単価を業界の平均より安くしようと無理をすると、お客様の質が下がります。単価は平均でよく、力を入れるべきは一人あたりの利益を上げるほうです。
二つ目は、反応のある組み合わせが見つかったか。2〜3種類ずつ試した写真と言葉のうち、明らかに反応の良い組み合わせがあれば、そこに予算を寄せます。
伸ばすときは、段階的に
伸ばすと決めたら、予算を一気に何倍にもしないでください。急に増やすと配信が安定せず、テスト期間の結果が再現しないことがあります。
目安として、1〜2週間ごとに2〜3割ずつ増やし、そのたびに獲得単価が崩れていないかを確かめます。
あわせて、広告からの予約や問い合わせが増えるにつれて、問い合わせ後の返信や案内が追いつかなくなることがあります。伸ばす前に、返信の担当と時間の目安を決めておいてください。
予算の額より、決め方が大切
Meta広告は、月に数万円からでも始められます。ただ、その数万円で何を確かめるのかを決めずに始めると、費用だけが消えます。
着地ページを整え、テスト期間の予算で反応を確かめ、獲得単価と一人あたりの利益で判断し、段階的に蛇口を開ける。この順番で進めれば、少額から始めても、伸ばすべきかどうかを自分で判断できるようになります。
