InstagramとFacebookに配信できるMeta広告は、少額から始められることが強みです。ただ、「少額から始められる」と「少額で結果が分かる」は別の話です。

最初の予算の決め方を間違えると、数万円を使い切っても何も分からないまま終わります。

当社の代表は、浜松にタピオカ専門店を出したとき、Instagram広告だけで開業初日に行列を作りました。同時に、その後の値引き広告で痛い思いもしています。

この記事では、その経験も踏まえて、Meta広告を始めるときの予算の考え方を、テスト期間と伸ばす期間に分けて説明します。金額はあくまで当社の目安です。

FIG 01 / 全体の流れMeta広告は、テストしてから伸ばす01着地ページを整える広告の言葉と同じ一言、出口は一つ02テスト(1か月)月3〜5万円で、写真と言葉を2〜3種類ずつ03判断獲得単価と、一人あたりの利益で決める04段階的に伸ばす1〜2週間ごとに2〜3割ずつ広告費は蛇口。小さく開けて、効いたら少しずつ開けるPROGRESS
図1最初の1か月は、売上ではなく反応を確かめる期間。

広告費は「蛇口」。閉めれば止まる変動費

広告費の性質を先に押さえておきます。広告費は、蛇口をひねれば水が出て、閉めれば止まる変動費です。人を雇う固定費と違い、効かなければ翌日に止められます。

FIG 02 / 蛇口広告費は蛇口。小さく開けて反応を見る01小さく開ける1日1,000〜1,700円から02反応を見る写真・言葉・着地ページ03効いた広告は開ける1〜2週間ごとに2〜3割ずつ04効かない広告は閉める翌日に止められる変動費蛇口の回し方PROGRESS
図2小さく開けて反応を見て、効いたら少しずつ開けるのが変動費の使い方。

だから、小さく開けて反応を見て、効いたら少しずつ開けるという使い方ができます。反対に、いきなり大きく開けると、効いていない広告に水を注ぎ続けることになります。

最初の予算は「確かめるため」の予算

広告を始めた最初の1か月は、売上を上げる期間ではなく、何が反応するかを確かめる期間です。確かめたいのは3つです。

  • どんな写真や動画に反応があるか
  • どんな言葉にクリックが集まるか
  • クリックした人が、着地したページで予約や問い合わせに進むか

この3つが分かって初めて、予算を増やす判断ができます。

当社が相談を受けたときのテスト予算の目安は、1か月で3万円から5万円、1日あたり1,000円から1,700円ほどです。この金額にしている理由は、反応の違いを比べるために、複数の写真や言葉を同時に試す必要があるからです。

1日数百円では、それぞれの広告に表示の機会が回らず、「反応がない」のか「まだ表示されていない」のかが区別できません。

FIG 03 / テストで確かめる3つテスト期間に確かめる3つの指標確かめること見る数字分かることどんな写真・動画に反応があるか表示あたりのクリック率止まって見てもらえる素材どんな言葉にクリックが集まるかクリック1回あたりの費用記事やサイトにも使い回せる言葉着地ページで予約に進むか予約・問い合わせ1件あたりの費用広告ではなく受け皿の問題かどうかPROGRESS
図31日数百円では、表示が回らず「反応がない」のか「まだ」なのか区別できない。

着地ページを、先に整えておく

広告の予算を決める前に、クリックした人が着地するページを整えてください。広告で「初回体験〇〇円」と伝えたなら、着地したページの最初の画面に同じ言葉があること。出口が予約なら予約に、LINEならLINEに、一つに絞られていること。

FIG 04 / 着地ページ着地ページを整えてから蛇口を開ける01出口を一つに予約なら予約に、LINEならLINEに絞る02言葉を合わせる最初の画面に、広告と同じ「初回体験〇〇円」を置く03進んだ数を測る予約・問い合わせに進んだ数が分かる状態に04蛇口を開ける受け皿ができてから、テスト予算で配信結果が悪いとき、原因が広告ではなく着地ページにあることは珍しくないPROGRESS
図4受け皿である着地ページを整えてから、蛇口を開ける。

ここが整っていないと、テスト期間の3つ目の指標である「予約や問い合わせに進んだ数」が測れません。広告の結果が悪いとき、原因が広告ではなく着地ページにあることは珍しくありません。

仕組みは後ろから作ります。受け皿ができてから、蛇口を開けます。

安売りで集めた人は、安売りにしか反応しない

ここで、代表の失敗を一つ書きます。650円のタピオカを100円で提供する広告を出したところ、たしかに行列はできました。ところがその後、650円で買う人が減り、売上は半分に落ちました。

100円で集まった人は、100円だから来た人だったのです。広告で反応を取りやすいのは値引きですが、値引きで集めたお客様は値引きでしか戻ってきません。

Meta広告のテストで確かめるべきは「安くすれば来るか」ではなく、「自分たちの提案そのものに反応があるか」です。値下げは、いちばん簡単で、いちばん高くつく手です。

FIG 05 / 安売りの結果値引き広告で集めた人は、値引きでしか戻らない100円の広告:初日は行列初日翌週翌月その後650円で買う人が減り、売上は半分に提案そのものの広告初週2週3週4週反応は小さく始まるが、戻ってくる人が積み上がる仕組みの模式図。実際の数字を示すものではありませんPROGRESS
図5確かめるべきは「安くすれば来るか」ではなく「提案に反応があるか」。

伸ばすかどうかの判断基準

テスト期間が終わったら、二つで判断します。一つ目は、予約や問い合わせ1件を得るのにいくらかかったかです。そこから成約率を掛けて、成約1件あたりの費用を出します。

FIG 06 / 判断基準伸ばすかどうかは、二つで判断するテスト期間が終わったら二つの判断で、予算を増やすかどうかを決める判断1成約1件の費用が、利益の範囲に収まるか問い合わせ1件の費用と成約率から出す。利益は繰り返し来る期間で見る判断2反応の良い写真と言葉の組み合わせがあるか2〜3種類ずつ試した中で、明らかに良いものに予算を寄せる注意獲得単価を平均より無理に下げないお客様の質が下がる。力を入れるのは一人あたりの利益PROGRESS
図6成約1件の費用が利益に収まり、反応の良い組み合わせがあれば伸ばす。

その費用が、成約1件から得られる利益の範囲に収まっていれば、伸ばす価値があります。この利益は、できれば一人のお客様が繰り返し来てくれる期間全体の利益です。

獲得単価を業界の平均より安くしようと無理をすると、お客様の質が下がります。単価は平均でよく、力を入れるべきは一人あたりの利益を上げるほうです。

二つ目は、反応のある組み合わせが見つかったか。2〜3種類ずつ試した写真と言葉のうち、明らかに反応の良い組み合わせがあれば、そこに予算を寄せます。

伸ばすときは、段階的に

伸ばすと決めたら、予算を一気に何倍にもしないでください。急に増やすと配信が安定せず、テスト期間の結果が再現しないことがあります。

目安として、1〜2週間ごとに2〜3割ずつ増やし、そのたびに獲得単価が崩れていないかを確かめます。

あわせて、広告からの予約や問い合わせが増えるにつれて、問い合わせ後の返信や案内が追いつかなくなることがあります。伸ばす前に、返信の担当と時間の目安を決めておいてください。

FIG 07 / 伸ばし方伸ばすときにやること、やらないことやらないこと△当たった直後に日予算を何倍にも上げる△獲得単価を業界平均より無理に下げる△値引きで反応を取りにいく△返信の体制を決めずに増やすやること◎1〜2週間ごとに2〜3割ずつ増やす◎単価は平均でよく、一人あたりの利益を上げる◎反応の良い写真と言葉に予算を寄せる◎返信の担当と時間の目安を先に決めるVSPROGRESS
図7蛇口は、開けるときも少しずつ。

予算の額より、決め方が大切

Meta広告は、月に数万円からでも始められます。ただ、その数万円で何を確かめるのかを決めずに始めると、費用だけが消えます。

着地ページを整え、テスト期間の予算で反応を確かめ、獲得単価と一人あたりの利益で判断し、段階的に蛇口を開ける。この順番で進めれば、少額から始めても、伸ばすべきかどうかを自分で判断できるようになります。